AIを搭載したロボットが注目を集めていますが、その安全性には常に懸念がつきまといます。AIサミットロンドンでボストン・ダイナミクス社の副社長ブランダン・シュルマン氏は、同社のロボット開発における安全への取り組みについて語りました。
シュルマン氏はまず、自社のロボットが「善」のために活用されている事例を紹介しました。例えば、誘拐された子供の救助活動や、爆弾処理など危険な任務にも投入されています。
しかし、SF映画などではしばしば危険な存在として描かれるロボットの悪いイメージを払拭するため、ボストン・ダイナミクス社ではロボットの「愛嬌」にも気を配っているそうです。例えば、新型ロボットのAtlasはピクサーのキャラクターのような目を採用しているとのこと。
AIでロボットをより安全に
安全面での取り組みとしては、AIによる自律学習機能の活用が挙げられます。工場の濡れた床で滑ってしまうSpotロボットの歩行を改善させた事例が紹介されました。この改善は、ソフトウェアアップデートにより全Spotロボットに配布され、安全性の向上が図られています。
ロボットの兵器化を禁止
さらに、ボストン・ダイナミクス社はロボットの「兵器化」を禁止する法整備にも賛同しています。ロボットは今後、危険で過酷な労働を担うなど、人間社会に様々な恩恵をもたらす可能性を秘めています。
同社が開発した倉庫作業用ロボット「Stretch」は、人間にとって負担の大きい箱の運搬作業を自動化し、労働者の安全と健康を守ります。シュルマン氏は、ロボットの導入により、より安全で給料の良い仕事へと人材がシフトしていく未来を展望しています。
ロボットと人間が共存する未来
ロボットの活用は今後ますます進んでいくでしょう。ボストン・ダイナミクスのような企業の取り組みと、社会全体での議論を通して、安全で信頼できるAIロボットの実現を目指していくことが不可欠です。
まとめ
ボストン・ダイナミクス社の取り組みは、AIロボットの安全と実用性を高める上で参考になるものです。特に、AIによる自律学習機能の活用は、ロボットの柔軟な対応力を向上させ、安全面でのメリットが大きいと感じました。
また、ロボットの「兵器化」を禁止する法整備への賛同も、AIロボットが人間社会に受け入れられる上で重要でしょう。
ただ、記事の中でシュルマン氏が触れているように、ロボットの活用は労働市場にも大きな影響を与える可能性があります。ロボットの導入によって職を失う人が出てこないよう、労働者への教育や訓練の充実も必要になってくるでしょう。
ロボットと人間が協働していく未来に向けて、技術開発だけではなく、社会的な対応も考えていく必要があると感じました。
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