中国が主導するジェネレーティブAI開発競争：量と質の今後

2024年7月22日

ジェネレーティブAI、つまり画像や文章など新しいコンテンツを自動生成するAI技術の開発競争において、中国が圧倒的な優勢にあることが明らかになりました。

中国、ジェネレーティブAI特許出願数で圧倒的優位に立つ

世界知的所有権機関（WIPO）が発行した報告書によると、2014年から2023年までの間に、ジェネレーティブAI関連の特許出願数は世界合計で5万4千件以上に達しており、そのうち実に6割以上にあたる3万8千件以上が中国からの出願でした。アメリカ合衆国はわずか6千件強にとどまり、中国に大きく水をあけられています。
さらに上位10件のジェネレーティブAI関連特許出願企業のうち、6社が中国企業であることも驚きです。日本企業や欧米企業も名を連ねてはいますが、中国勢の勢いに押されているのが現状と言えます。

中国、知的財産権取得に積極姿勢

報告書は、中国が知的財産権の取得に非常に積極的であることを改めて浮き彫りにしています。2020年には国際特許出願件数でアメリカを抜き世界トップとなり、2022年には科学研究分野でもアメリカを追い抜きました。
ジェネレーティブAI分野に限らず、中国は今後とも他国を凌駕する勢いで技術開発を進めていくことが予想されます

量と質のギャップは存在するのか

ただし、気になるのは量的な優勢と質的な優勢が必ずしもイコールではないという点です。特許出願件数が多くても、実用性の高い革新的な技術がどれだけ含まれているのかは未知数です。
また、WIPOの報告書でも触れられているように、ジェネレーティブAI関連の特許出願数は全体のAI関連特許出願数のわずか6％に過ぎません。現在の段階では、開発競争自体がまだ初期段階にあるのかもしれません。