画像編集ソフト大手のアドビが、自社のAI開発においてユーザーが作成したデータを使用しない方針を改めて打ち出しました。これは、ユーザーのプライバシーに対する懸念が高まる中、信頼回復を図る狙いがあるとみられます。
今回の動きは、利用規約の改定に伴うもので、アドビは「生成系AIツールをユーザーコンテンツでトレーニングすることはこれまで行ったことがなく、今後もそのつもりはない」と明言しています。
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ユーザーデータ活用は「生成系AI以外」で継続
アドビは、生成系AI以外の分野においては、ユーザーデータやコンテンツの特徴を活用して「製品体験の向上」を図っているとしています。具体的には、自動背景除去やマスキングなどの機能を改善するために機械学習を利用しているとのことですが、あくまで生成系AIの開発には用いないとしています。なお、ユーザーはこうしたデータ活用をオプトアウトする権利も有しています。
ユーザーデータ活用で批判を浴びる企業も
大手IT企業の中には、GoogleやOpenAIのように、自社のAIサービスを向上させるためにユーザーデータを活用しているところもあります。特にメタ(旧Facebook社)は、AI開発のためのデータ収集方法を巡って批判を浴び、EU(欧州連合)からも11件の苦情が寄せられています。
まとめ
生成系AIは今後、クリエイティブ業界だけでなく様々な分野で活用が期待されています。しかし、ユーザーデータの扱いを巡っては倫理的な問題も提起されており、今後も議論が続くことが予想されます。アドビの今回の動きは、そうした懸念に真摯に向き合う姿勢を示したものと言えるでしょう。
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