日本とオランダが量子コンピューティングで連携!エネルギーとバイオ分野への応用目指す

日本の産業技術総合研究所(AIST)とオランダの量子コンピュータ開発企業であるQuEra Computingは、量子コンピューティングの未来を切り拓くために、4100万ドル(約55億円)規模の共同プロジェクトを発表しました。

この画期的な提携は、AISTが保有するNVIDIA製のスーパーコンピュータ「ABCI-Q」と、QuEraが開発する中性原子量子コンピュータを融合させた「古典-量子ハイブリッドプラットフォーム」の構築を目指します。

目次

中性原子量子コンピュータの可能性

中性原子量子コンピュータは、従来の量子コンピュータと比べて、エラー検出・訂正技術において大きな進歩を遂げており、大規模で耐障害性のある量子コンピュータの実現に大きな可能性を秘めています。

QuEraの量子コンピュータは、室温で動作し、既存のコンピュータとのハイブリッド構成が容易に実現できるため、データセンター内などにおいて、量子コンピュータと従来型コンピュータの強みをどちらも活かすことができます。

日蘭共同プロジェクトの意義

「今回、AISTが自国にQuEraの技術を導入することを選択していただいたことを大変光栄に思います」と、QuEraの社長である北川卓也氏は述べています。

「今回のパートナーシップは、科学技術の進歩に向けた相互の献身を表すものであり、特に量子・AIアプリケーション分野における計算研究の新基準を打ち立てるものです。今後、日本側の機関や企業と連携し、量子コンピューティングの新たな可能性を切り拓いていくことを楽しみにしています。」

AIST副所長の堀部雅宏氏は、「QuEraの最先端技術を既存のコンピューティングインフラと併設することは、日本の量子コンピュータ関連プロジェクトにおける重要なステップとなります」と述べています。

「今回の共同研究により、計算能力を向上させ、AI、エネルギー、バイオなどの分野における実用的なアプリケーション開発を加速させることが期待できます。」

量子ハイブリッドプラットフォームでできること

ABCI-QシステムとQuEraの量子コンピュータを融合させた量子ハイブリッドプラットフォームは、量子回路シミュレーション、量子機械学習、古典-量子ハイブリッドシステムの構築、量子技術に着想を得たアルゴリズムの開発など、幅広い量子コンピューティング研究を支援します。

NVIDIAの貢献

NVIDIAのハイパフォーマンスコンピューティングおよび量子コンピューティングディレクターであるティム・コスタ氏は、「量子コンピュータとGPUスーパーコンピュータの統合は、科学的発見を加速させる量子コンピューティングの可能性を引き出すための重要なマイルストーンです」と述べています。

コスタ氏は、NVIDIAのCUDA-Qプラットフォームについても言及し、「ABCI-Q隣に設置され、CUDA-Qを搭載したQuEraのシステムは、この分野における先駆的な飛躍を遂げ、最先端のハイブリッドアプリケーションや量子研究開発を可能にします」と述べています。

まとめ

今回の日蘭共同プロジェクトは、量子コンピューティングの進歩を加速させ、エネルギーやバイオなどの分野における新たな発見や革新につながることが期待されます。

今後、AISTとQuEraは、このプロジェクトを通じて、量子コンピューティングの可能性を最大限に引き出し、世界に貢献していくことでしょう。

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