クラウドサービス大手のAWSは、公共セクター向けにジェネレイティブAI活用を推進するプログラムを発表しました。総額5000万ドル(約68億円)を投じ、クラウドクレジットやAIインフラの提供など、公共機関のジェネレイティブAI導入を後押しする内容となっています。
ジェネレイティブAIサービスへのアクセスを容易に
今回のプログラム「Public Sector Generative AI Impact Initiative」は今後2年間実施され、公共機関はAWSが提供するジェネレイティブAIサービスをより容易に利用できるようになります。
具体的には、AIの基礎モデル開発に特化した「Bedrock」や機械学習プラットフォームの「SageMaker」といったサービスの利用がクレジットの形で提供されます。さらに、大規模なAI処理を高速化する専用ハードウェア「Trainium」や「Inferentia」なども活用できます。
課題解決と社会貢献を目指す
AWSの公共セクター担当バイスプレジデント、デーブ・レヴィー氏は、このプログラムについて次のように語っています。
「公共機関のリーダーたちは、ジェネレイティブAIを活用することで、より効率的で機敏な組織運営を目指しています。しかし、リソースの最適化、ニーズの変化への対応、医療の質向上、教育のパーソナライズ、セキュリティ強化など、さまざまな課題に直面しています。今回のプログラムを通じて、AWSは公共機関がジェネレイティブAIをはじめとするクラウドテクノロジーの可能性を引き出し、社会にプラスの影響を与えることを支援します。」
AIトレーニング、サミット参加権、技術サポート
プログラムに参加する公共機関は、AI活用のためのトレーニングやAWS主催のサミットへの無料参加権も得られます。また、AWSは安全なジェネレイティブAIソリューションの開発・導入を支援する技術サポートも提供します。
参加条件とプログラム期間
利用可能なクレジットの付与にあたっては、プロジェクトアイデアの成熟度や参加機関のジェネレイティブAIスキルなど、総合的な評価が行われるとのことです。プログラムは2026年6月30日まで、新規・既存のAWS公共セクター顧客を対象に受け付けられます。
ジェネレイティブAIの普及に注力するAWS
今回のプログラムは、AWSがジェネレイティブAIソリューションの普及に注力していることを示す一つの事例です。先月には、ジェネレイティブAIアプリケーションを開発するスタートアップ企業を支援するプログラムも発表されており、クラウドクレジットやインフラ面での支援を行っていくとしています。
まとめ
公共サービスの効率化や質向上につながる可能性を秘めたジェネレイティブAIですが、技術的な課題だけでなく、倫理的な問題などについても議論が必要です。AWSの支援プログラムによって、公共セクターにおけるジェネレイティブAIの活用が活発化していくことを期待しつつ、その動向を注視していく必要があります。
引用元:https://aibusiness.com/ml/aws-commits-50m-to-support-public-sector-generative-ai-innovations
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