ネットワーク機器大手のシスコが、AI関連スタートアップへの投資を加速させるため、10億ドル規模のAIファンドを設立することを発表しました。
このファンドは「安全で信頼できるAIソリューション」の開発を目指すスタートアップ企業を支援するもので、シスコはすでに2億ドルの出資を表明しています。
シスコ最高戦略責任者パターソン氏「AIファンド設立は戦略的投資の一環」
シスコは近年、AI関連企業への投資を積極的に行っており、データ分析企業Splunkの買収(280億ドル)や、AIスタートアップへの出資(Scale AIやMistral AIなど)を実施しています。
シスコの最高戦略責任者マーク・パターソン氏は、「シスコは30年以上にわたり、自社事業の革新だけでなく、戦略的領域への投資も行ってきた。今回のAIファンド設立もその一環だ」と述べています。
シスコのAIファンドは、マイクロソフトやグーグル、AWSなど、大手IT企業が相次いでAI分野への投資を拡大する動きと軌を一にしています。
AIを活用したIT運用監視ソリューションも発表
シスコのAIファンド設立の発表と同時に、AIを活用したIT運用監視ソリューション「Cisco ThousandEyes Digital Experience Assurance」も発表されました。
このソリューションは、オンプレミス環境とクラウド環境の両方で、顧客のITチームがデジタル環境全体を把握し、AIによるレコメンド機能を活用して、運用効率化を図ることが可能です。
AIで顧客のデジタルレジリエンス向上を支援
シスコのネットワーキング事業担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるジョナサン・デビッドソン氏は、「ネットワーク障害の多くは人的ミスが原因だ。シスコはAIを活用し、6500億件もの毎日の測定データとグローバルネットワークの力を活用して、人間のスケールを超えた運用を実現し、顧客のデジタルレジリエンス向上を支援する」と述べています。
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