人工知能(AI)の技術革新が進む中、軍隊の世界でもその活用が模索されています。今回、アメリカ空軍が、自らのスタッフ向けにChatGPTのようなAIチャットボット「NIPRGPT」を導入したことが話題になっています。
NIPRGPTは、空軍職員が生成系AIと呼ばれる、新しいタイプのAIと触れるためのツールです。人間との自然な会話が可能で、質問に答えたり、コード作成を補助したり、文書作成のサポートを行ったりすることができます。
生成系AIでイノベーションを加速
空軍情報最高責任者であるベニス・グッドワイン氏は、「産業界や学界との間で生成系AIに関する協議を重ねる中で、この分野は急速に発展していることが明らかになりました。今こそ、空軍職員が必要なスキルを習得し、革新的な取り組みを進めるための支援が必要です。政府全体、そして空軍としても、職員が最先端のツールを活用できるようにするべく、様々な近代化施策を進めています。NIPRGPTはその一環です」と述べています。
NIPRGPTの機能と活用方法
NIPRGPTは空軍の部隊に対して無料で提供されており、職員が積極的に活用することが期待されています。具体的には、以下の機能が提供されています。
- 質問への回答
- コード作成の補助
- 文書作成のサポート
- その他、創造的なテキスト生成
また、空軍はリアルワールドでのテストを通じて、運用に必要なリソースやセキュリティ面での適合性を検証していくとしています。
今後の展望:AIと軍隊の融合
さらに、ユーザーからのフィードバックは、今後空軍が生成系AIを活用するための指針策定に役立てられるとのことです。
「より強力な商用ツールが、厳しいセキュリティ基準や各種プロセスをクリアするのを待つ間、NIPRGPTは我々のチームに最適なツールを提供するための重要な架け橋となります」と、空軍研究所情報最高責任者であるアレクシス・ボネル氏は語っています。
「構造化されていない情報との新しい関わり方は、いきなり完璧にできるものではありません。我々一人ひとりがツールを使いこなす方法を学び、適切に質問し、最高の結果を得られるようになる必要があります。NIPRGPTは、より強力なツールが登場する際に、空軍職員がスキルを習得し、慣れ親しむための入り口となるでしょう。」
軍隊の世界でもAIの活用が進展していますが、NIPRGPTの導入は、まだ初期段階の取り組みと言えます。しかし、AIを味方につけることで、今後どのような革新が生まれてくるのか、注目が集まっています。
まとめ
一方で、AIの軍事利用には、倫理的な課題も指摘されています。例えば、AI兵器の開発や、自動化された軍事行動など、人命に関わる問題が懸念されています。
空軍としても、これらの課題を認識しており、責任あるAIの開発と利用を推進していくことを表明しています。
AI技術の進歩は、軍隊のあり方を変える可能性を秘めています。NIPRGPTの導入は、その第一歩と言えるでしょう。今後は、AIと軍隊の融合がどのように進んでいくのか、目が離せません。
引用元:https://aibusiness.com/nlp/air-force-launches-chatgpt-like-tool-for-staff-to-explore-generative-ai
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