ニューヨーク市監査局による報告書が、AIを活用した銃撃検知システム「ShotSpotte」の有効性に疑問を投げかけています。報告書によると、ShotSpotterが発報した音の13%しか実際の発砲事件を確認できなかったことが明らかになりました。
誤報の多さ、検出漏れのリスク、警察対応時間の過大評価
報告書は、ShotSpotterの精度について以下のような問題点を指摘しています。
- 誤報の多さ: 実際に発砲事件が起きていないにも関わらず、システムが銃声と誤認識し、警察が出動してしまうケースが多くある。
- 検出漏れのリスク: 本当に発砲事件が起きているにも関わらず、システムが検知できない可能性がある。
- 警察の対応時間の過大評価: ShotSpotter導入により警察の現場到着時間が短縮されたとされてきたが、報告書はそれを裏付ける十分なデータがないとしています。
これに対して、ShotSpotterを開発するSoundThinking社は、報告書の結論に反論しています。同社は、警察が現場に到着しても発砲事件を確認できないのは、必ずしもシステムの誤作動ではないとしています。
つまり、SoundThinking社はたとえ発射物が見つからなくても、ShotSpotterが銃声と判断したことは重要であり、警察が事件を把握する手助けになっていると主張しているのです。
真実は?詳細な検証が必要
ポイントとなるのは、ShotSpotterが検知した「音」の正体です。報告書は、発砲事件が確認できないケースを全て「誤報」としています。しかし、SoundThinking社は、花火や車のバックファイアなど、銃声以外のものが拾われている可能性を示唆しています。
現時点では、ShotSpotterの精度を客観的に判断する十分な情報が揃っていないようです。巨額の予算を投じる前に、より詳細な検証が必要であると言えるでしょう。
まとめ
記事冒頭で触れられているように、ShotSpotterのアルゴリズムは非公開であり、その信頼性に対する懸念も根強くあります。
AIを活用した犯罪対策は今後ますます重要になっていくでしょう。しかし、その導入にあたっては、システムの透明性や有効性について慎重な検討が必要です。
引用元:https://aibusiness.com/automation/new-york-city-ai-powered-shot-detection-system-accuracy-questioned
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